C57-1次型 新津機関区(長野工場タイプ)の小加工(KATO)
昭和40年代に新津機関区に所属したC57は長野工場で全検を受ていました。この中には現在山口号の牽引機となっているC571やSLばんえつ物語号のC57180もいました。新津のC57はD51と異なり、重油タンクを装備していなかったので、形態上の特徴は、ドーム前のなで肩の手摺とキャブ屋根延長、旋回窓くらいです。KATOのC57は1次標準型をモデルとしているので、古い模型をベースに新津型のC57となるよう、小加工をしてみました。ポイントは下記の通りです。
 ・Bトレ用モーターに交換+ドローバー切詰
 ・キャブ屋根延長(ロングルーフ)
 ・機関士側、機関助士側の旋回窓
 ・ドーム前の斜めに肩を落とした手摺
 ・スノープロウ
先日、待望のTOMIXのC571がリリースされたので、KATO製のC57を加工する機会も少なくなると思いますが、新津には私の好きな3次型のC57も多かったので、気が向いた時に、C57180ベースの加工にもチャレンジしてみたいと思います、
                                                                       2011.4.10


C57-1次型の実機のイメージ  
C57-1次型新津機関区(長野工場タイプ)の特徴がよくわかるC5792[新]。長野工場の特徴であるドーム前に設置されたなで肩の手摺とキャブ屋根延長、旋回窓、スノウプロウが形態上の特徴になります。

これも未熟な工作ですが実機の特徴だけを押さえました。
D51と同様ですが一番のイメージチェンジはキャブ〜テンダ部分だと思います。
古いNゲージ蒸機を実物に似せるポイントはやはりここです。

メインフレーム一体だったダイキャスト製のモーター押さえを切断しBトレ用小型モーターに交換しました。
C57はギヤボックスになっているので、これに合わせて小型モーターをセットします。
木の平板は高さ調整の角材です。

長野工場タイプの手摺です。実機の写真をよく見ると、なで肩の部分の長さが一定ではなく、個体差があったようです。掲載写真のC5792よりはテーパーが強めになっています。
スノープロウは銀河製品です。

キャブ屋根の延長部分は1mm厚のスチレンボードを接着しケント紙で裏あて補強します。
0.3mm真鍮線の雨といとキャブ背面左右の妻板を付け、後方から見たときに解放キャブらしくしました。
新鉄管内では装備のなかった窓下のタブレットキャッチャーを削り落し、ナンバーを正規の位置に戻すために、ナンバーの窪みをプラ板で埋めます。

塗装前の状態ですが、D51と比べると加工部分が随分少ないことがわかります。
C57の場合、小型モーターへの交換によってキャブの背面と下面がスカスカになりますが、ドローバーの切詰めとキャブ背面の妻板、モーター下のスペーサーで隙間を小さく見せることができます。
写真のテンダは製品のままですが、石炭を載せ変え、てんこ盛りにしました。

上回り全体に艶消黒を吹付けて仕上げをします。シリンダーブロックも塗装しました。
キャブ下に見えていた木材も塗装をかければわからなくなります。

C57103は新津に最後まで残った5輌のC57のうちの1台です。KATO製品の付属品の中にあったので付けてみましたが、溝に埋め込んでいないので厚すぎるようです。良いものが手に入ったら代えるつもりです。

斜め後方から見た1次型C57の印象です。私自身としては満足できるシルエットになりました。
スケールこそ1/140で今様ではなく、TOMIXのファインスケールが出てしまった後では、どう頑張っても旧式の感は否めませんが、このような下手な加工でも実機に似てくるのはよほどオリジナルのプロポーションが優れているからではないでしょうか。

長野工場タイプのD51との並びです。昔よく見た風景が再現されたようで嬉しくなりました。
KATO旧製品の素晴らしいプロポーションは機炭間隔の縮小とキャブ回りの小加工によって格段に実感が向上しますが、形態、走行性能ともにNゲージの範疇を超えるような素晴らしい新製品の発売が実現した今後は、このような加工をする人もいなくなるのでしょう。

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